オープンソースのDAW Ardourを使ってみる
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Ardourとは
Linux Audio SystemsのPaul Davisが開発をリードするオープンソースのDAW (Digital Audio Workstation)。
主要開発者はPaulの他にRobin Gareus。その他数十人のコントリビュータがいる。
本記事執筆当時のバーションは5.9
![](https://res.cloudinary.com/inatus/image/upload/h_305,w_600/v1515328868/ardour_title_tx5xso.png)
特徴
まとめると、格安で使えるフル機能DAW。
オープンソース
一番の特徴はこれ。
ただし、オープンソース=無料ではない。
制限なく使うには寄付する必要がある。
これは後述。
マルチプラットフォーム
Linux、Mac、Windowsに対応。
もともとLinux用に開発されていて、その後Mac、Windowsに移植されている。
オーディオエディタ、MIDIエディタ
当たり前だけどオーディオとMIDI両方が扱える。
ただしもともとはオーディオ専用のDAWで、
後から開発されたMIDIエディタは使いにくいとの意見もある。
VST, AUプラグインに対応
それぞれのOSでVSTが利用可。
加えてMacではAUも使える。
トラック・プラグイン数制限なし
ソフトウェア側での制限はなし。
マシンの性能に左右される。
日本語対応
バージョン5.6から日本語表示が可能に。
価格
オープンソースだけどバイナリは有料。
制限付きで無料版もある。
![](https://res.cloudinary.com/inatus/image/upload/h_411,w_600/v1515328869/ardour_subscription_eqdgzb.png)
無料版
機能制限なしで10分ごとにダイアログが出て音が止まる。
ダイアログを閉じればまた10分使える。
有料版
有料版の支払い方は2種類ある。
月払いの寄付
毎月定額がPayPalアカウントから自動的に引き落とされる。
支払額は$1, $4, $10, $50から選べる。
どの金額でも使える機能は同じ。
支払っている限りは常に最新版をダウンロードできる。
また、Nightly Buildもダウンロードできる。
支払いをやめても使えなくなるわけではなく、
新たにダウンロードできなくなるだけ。
なお、バイナリのコピーを友人などに渡しても良い。
一回払いきり
任意の額を一回のみ支払う。
支払う額は一応、自分の国で2人でレストランで夕食をとった時の額相当が推奨されている。
(ドイツでは40ユーロらしい)
ただし、45ドル未満の場合は、マイナーアップデートのみダウンロード可。
(5.Xから6.0にバージョンアップするとダウンロードできなくなる)
Nightly Buildはダウンロードできない。
45ドル以上で今後のすべてのアップデート及びNightly Buildのダウンロードができる。
何としても無料で使いたい場合
オープンソースなので自分でバイナリをビルドすれば無料。
ただしWindowsとMacでは依存関係の解決が難しいらしい。
Linuxは容易にビルドできる。
ビルドの仕方はそのうち書く。
結局使えるのか
![](https://res.cloudinary.com/inatus/image/upload/h_356,w_600/v1515328873/ardour_editor_ro60xk.png)
![](https://res.cloudinary.com/inatus/image/upload/h_356,w_600/v1515328871/ardour_mixer_vshqso.png)
バンド音源のミックス(一部MIDIも使用)に使ってみたが、
必要な機能は十分に備わっている印象。
録音・打ち込みからマスタリングまですべてカバーできた。
ただし標準搭載のプラグインは心もとない。
特にソフト音源はベーシックなシンセぐらいしかないので、
別に用意する必要がある。
また、GUIに多少使いにくさを感じたり、アプリケーションがいきなり落ちたりもするが、
やりたいことは一通りできてる。
誰にオススメできるか
LinuxでDAWしたい
結局これが一番のオススメかもしれない。
とにかく安くフル機能でDAWを使いたい
月1ドルから使い始められる。
ただ、無料で使えるDAWが他にもあったりするので比較した方が良いかも
複数人で使いたい
あんまりいないと思うが、コピーを共有できるので一人が払えば良い。
オープンソースにロマンを感じる
上記Linuxユーザと同様にそれなら使うしかない。