LinuxでWavesプラグインを動かす
以前の記事でLinux環境でWaves CentralからプラグインをインストールしたあとDAWで動かすことはできなかったのだが、いつの間にかLinVstでできるようになっていたので、やり方をまとめる。
English article here
動作環境
- Ubuntu Studio 18.10
- Wine 4.0-rc7 (Staging)
- LinVst 2.4.1
- Ardour 5.12
Wineのアーキテクチャは64bitのみで確認。
ホストLinux環境の下準備
予め下記のパッケージをインストールしておく。
sudo apt install winbind gnutls-bin libntlm0
Wine環境の下準備
DLLのインストール
winetricksで以下のDLLをインストールする。
d3dx11_42
d3dx11_43
gdiplus
mfc42
vcrun2005
vcrun2008
vcrun2010
vcrun2012
vcrun2013
vcrun2015
webio
wininet
DLLオーバーライドの設定
winecfg
のライブラリ
タブで以下のDLLのオーバーライドを指定しておく。
d2d1
ierutil
mfc140
mfc42
mfc42u
nsi
すべてネイティブ版後に内蔵版
でOK。なおアプリケーション
タブのWindows バージョン
は7以降にしておく。
robocopyのインストール
Wineではデフォルトでrobocopyコマンドがインストールされていない。 これを手動でインストールする。 インストールファイルは以下にある。 https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=17657
環境変数の追加
Windowsでは通常デフォルトで設定されている環境変数がWineでは設定されていないものがある。 これを手動で追加する。
wine regedit
HKEY_CURRENT_USER\Environment
あたりに下記の環境変数を定義する。
Name | Data |
---|---|
COMMONPROGRAMFILES(X86) | C:\Program Files (x86)\Common Files |
PROGRAMFILES(X86) | C:\Program Files (x86) |
PUBLIC | C:\users\Public |
Waves Central、Wavesプラグインのインストール
WavesサイトよりWaves Centralをダウンロードして普通にインストールし、 プラグインもインストールする。
LinVstのセットアップ
LinVstのリリースページからDebian-Stretch版をダウンロードし、解凍する。
embedded-version
ディレクトリにあるlin-vst-server
と付いているファイルをすべて/usr/bin/
に放り込む。
$ sudo cp embedded-version/lin-vst-server* /usr/bin/
同じディレクトリにあるlinvst.so
ファイルを~/.wine/drive_c/Program Files/VSTPlugIns/
ディレクトリにコピーして、ディレクトリ内にあるdllファイルを同じ名前に変更する。
Ardourでプラグインを読み込む
編集→環境設定→VST→Linux VST パス
に~/.wine/drive_c/Program Files/VSTPlugIns/
を追加する。
.のつく不可視フォルダは選択できないため、アドレスバーに直接入力する。
プラグインをスキャンすると、ダイアログが現れるので、C:
をダブルクリックし、Program Files (x86)
をダブルクリックし、Waves
をダブルクリックし、Plug-Ins V10
を選択した状態で開く
を押す。
これでWavesプラグインが利用できるようになる。